プラズマ・ジェットの温度の測定
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概要
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プラズマ・ジェット器(商品名はPlasmatron;米国のPlasmadyne Corporationで製造したもの)から水平に射出するプラズマ・ジェットの像を2個のプリズムを使った分光器のスリットに投影して,そのスペクトルを写真撮影によってしらべた.ジェット射出の穴(直径は7.5mm)から1mmだけ離れた部分のみをしらべた.電流は120〜800アンペアで,熱的ピンチのために30l/minのアルゴンの流れを用いた.スペクトルをよく見ると,強度分布は中心線に対して完全に対称とはなっていないことがわかった.そのために,中心部に対して上下の平均をとって,結局プラズマ・ジェットは各断面で円対称となっているという仮定の下に分光分析を行なった.直接に測った(見掛けの)強度分布から,Pearceの発表した表を用いて,半径の関数としての強度分布に換算した.これから,Larenzの方法により,Olsenの発表した表を用いて,半径方向の温度分布を決めることができた.この測定では主としてA I λ7273とA II λ4348とをしらべた.最高温度が15300°Kよりも低い場合には,Larenzの上述の方法は適用できない.この場合にはFabry-Perotのヱタロンを用いてA I λ7273の強度のプロフィルをしらべることによって温度を正確に測ることができた.このプロフィルをしらべた際に,電流が約600アンペアよりも大きいときには半値幅が理論で予期する値よりも大きいことがわかった.これはλ7273の最終レベルがJ=1であるので準安定ではないのにも係わらず自己吸収をするためではないかと考えられる.A I λ7273の強度分布から出した温度はA II λ4348の強度分布から出した温度よりもいくらか低いという結果が得られた.これと類似の結果はOlsenや大阪大学のグループによっても得られている.
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