宮崎県の幼児の運動能力に関する調査 : 体格と運動能力の関係について
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概要
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幼児の体格と運動能力の関係について調査した。宮崎市・郡の幼児が対象として選ばれ,体格および運動能力の性差の比較,体格と運動能力および体型と運動能力の関係について検討した。その結果は,次のようなものであった。1)性差についてみると,身長と体重についてはいずれの年齢段階でも男児が女児を上回っており,体格は男児が優れていた。運動能力についても相対的に男児が優れていたが,体支持持続時間のみは女児がすべての年齢段階で上回っていた。しかし,明らかに性差がみられたのはソフトボール投げと立ち幅跳びだけで,その他の種目は明白な性差がみられなかった。2)体格と運動能力の関係については,統計的に有意差のみられる年齢段階がいくつかあるが,一定の傾向はみられなかった。身長と体重および体重とカウプ指数の間には関係があったが,体格と運動能力とはそれほど関係のないことが示された。3)運動種目間の相関については,男児の25m走と立ち幅跳びにすべての年齢段階で有意な相関がみられ,女児でもほぼ同様の傾向があった。男・女児共に,総合運動能力はすべての運動種目と高い相関がみられた。これは,運動能力に関する一般的因子があることを示唆している。4)体型と運動能力の関係では,高・中・低能力のどの群でもふつう型がもっとも多く,体型によって各運動種目および総合能力の成績に差がみられず,体型と運動能力は関係のないことが示された。5)ふつう型がすべての運動種目に平均した成績を示したのに対し,やせ型や肥満型は種目によって成績の不均衡がみられた。身体面の不均衡な発育は,運動能力の発達にとっても望ましくないことが示唆された。幼児期は,体格や体型と運動能力に高い関連のないことが確認された。運動能力は,むしろ神経系統の発達と関連が深いことが示唆された。また,幼児の運動能力の成績には,運動能力以外の要因が影響しやすいことを示唆している。
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