ブレヒトの『小市民の結婚式』について
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概要
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1919年作の『小市民の結婚式』(茶番劇)は上演して成功すると思えるような作品ではありません。同じ年に書かれた『夜打つ太鼓』が1922年にクライスト賞を受賞し、何度も上演されましたが、それと比べると目立たない作品です。しかし、21歳の大学生ブレヒトが、小市民の無思想にして無内容な生き方に疑問を感じて、その俗物性と精神的堕落を暴露したことに、驚きを感じます。そればかりか、単なる暴露劇ではなくて、小市民の俗物性を笑いの対象にしたところに、この作品の良さがあります。ブレヒトは資産家の息子ですから、自ら笑いながら小市民層と決別した、と言えるかも知れません。彼が大学時代を過ごした当時のドイツの社会情勢を概観するなかで、この作品を考えてみたいと思います。
- 2005-03-31
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