前立腺癌の放射線療法(<特集>都民公開講座 前立腺癌:どうしたらよいか?)
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概要
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放射線療法は切らずに癌を治す治療法として,世界的に広く行われている.前立腺癌においても有用性が高く,米国では手術を抜き,最も行われている治療法となっている.前立腺の局所に対する治療としては,体の外から放射線をかける外部照射と前立腺に放射線を出す小さな線源を挿入して治療する小線源治療がある.外部照射は,リニアックからの高エネルギーX線を病巣に集中して照射する方法で,治療期間が8週間かかる難点はあるが,通院で治療でき,最も体への負担が少ない治療法である.適応範囲が広く,様々な病状に適応可能である.治療後に下血を生じるなどの有害反応が5%程度に生じる.小線源治療は,ヨード125シード線源を約80個前立腺に刺入する方法と,装置に装着されたイリジウム192線源を一時的に挿入する方法に大別される.いずれも麻酔をかけての手術操作が必要で入院を要するが,治療期間は数日である.小線源治療は癌が限局している症例にのみ有用である.治療後に約半数例に,排尿障害などの有害反応が生じる.いずれの治療法も治療効果は手術と同等であるが,各々に長所,短所があり内容を良く理解した上で,選択するのが良いと思われる.
- 順天堂大学の論文
- 2004-09-29
著者
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