鐵筋の許容應力度に關する一考察
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概要
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本論文は筆者が建築學會の建築法規に関する委員會の臨時委員として市街地建築法規施行規則中鐵筋の許容應力度の改正に關して研究したものであり、同委員會に提出せるものである。 本研究の目的とする處のものは、鐵筋の許容應力度を變更したる場合に曲げ材の引張側コンクリートの初期龜裂は許容荷重と如何なる關係にあるかを理論的に考察することであつて、改正法規の如く許容應力度1,200kg/cm^2を1,400kg/cm^2とした事は、コンクリートの初期龜裂と許容荷重との對照として考察すれば、大なる差異は認められないと言ふ結論に達したのである。即ち鐵筋コンクリートの生命に重大なる關係を持つ處のコンクリートの龜裂による鐵筋の腐蝕を考慮の對象とすれば、鐵筋の許容應力度を1,400kg/cm^2として好いと云ふ理論的根據を得た。其他建築法規に關する委員會の研究事項とは無關係であるが次の諸項を得た。1) 良調合のコンクリートと雖も、曲げによる龜裂防止には大なる期待は持てない。2) 普通用ひられる鐵筋比では、許容荷重の作用した時は、初期龜裂は覺悟せねばならない。3) 許容應力度大なる高級鋼の如きを鐵筋として使用することは尚十分の研究を必要とする。4)使用鐵筋比を大とするも、初期龜裂荷重はさして大とならない。
- 社団法人日本建築学会の論文
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