アセトアルデヒドを由来とするDNA損傷の分析法に関する研究
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概要
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アセトアルデヒドは生体内でDNA中のグアニンと反応してN^2-エチルグアニン(N^2-Et-Gua)およびサイクリック1,N^2-プロパノグアニン付加体(CPr-Gua)を生成する可能性が示されている。現在、このような損傷塩基の分析を行う際には主に^<32>P-ポメトラベル法が用いられるが、この手法は放射線を用いるため必ずしも安全とはいえず、また、煩雑な分析法であるといった欠点も否めない。本研究ではキャピラリー電気泳動法(CE)および高速液体クロマトグラフィー(HPLC).を用いたDNA中に含まれるこれらの損傷塩基の安全かつ正確な分析法の開発を行った。その結果、CEを用いた手法では、泳動液のpHや修飾剤濃度を変化させることによりヌクレオチドの泳動挙動を制御することが可能な分離系の構築に成功した。また、CE用の電気化学検出用のセルを開発し、正常および損傷を受けたグアニンの選択的な検出が可能なことを示した。液体クロマトグラフィー-質量分析法(LC-MS)を用いた手法では非常に高感度な検出が達成され、実際のDNA試料の分析にも適用可能と考えられた。さらに、アセトアルデヒドを作用させたヒト培養細胞や仔ウシ胸腺DNAの分析を行い、DNA損傷の形態について考察した。これらの手法は^<32>P-ポストラベル法に代わる、あるいは相補的な分析法として用いられることが期待される。
- 2004-06-30
著者
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