戦略的情報システム試論 : 組織文化に応じた情報システムの構築
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概要
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本論文では組織文化を「あるグループのメンバーに共有された基本的価値観と,そこから生じる行動パターンのことである」と定義し,企業におけるその外部適応機能,内部統合機能の検討を通じて,組織文化がその組織の広義の情報処理特性を特徴付けていることを示した。そして情報システムを企業におけるコミュニケーション・メディアの一つであるとし,組織文化に応じて異なった特性や異なった発展度を持つ情報システムが必要とされると考えた。そこで組織文化の直接的,間接的な分類項目によって企業の分類を行ない,これと組織の情報処理特性や情報システムの発展度との関係について実証分析を行なった。3つの組織文化の分類軸が抽出され,これを用いて企業を6つのグループに分類した。また情報システムを含む広義の情報処理特性の発展度を表す5つの評価軸を抽出し,組織文化による企業分類との関係を分析した。こうした結果から,組織文化は組織の広義の情報処理特性と強い関連を持つと同時に情報システムの発展度に影響を与えていることがわかった。有効な情報システムの構築を通じて企業全体の総合的な情報処理特性を向上させてゆく為には,組織の個性としての組織文化に応じた対応策が必要なのである。
- 慶應義塾大学の論文
- 1993-10-25
慶應義塾大学 | 論文
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