気道粘膜表面温度測定によるアンギオテンシン II : 昇圧時の肺癌巣血流動態の検討

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概要

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アンギオテンシン-II昇圧時の肺癌巣血流動態を検討するために, デジタル表面温度計(HLB-70, 安立計機)を用い, 非昇圧時と昇圧時の気道粘膜表面ならびに腫瘍表面∿周囲温度を経気管支鏡下に測定した。対象は原発性肺癌9例(扁平上皮癌6例, 腺癌2例, 大細胞癌1例)で発生部位は中心型7例, 末梢型2例であった。温度測定部位は1)気管分岐部, 2)上葉入口部, 3)末梢気道粘膜, 4)腫瘍表面あるいは周囲で, 昇圧はアンギオテンシン-II静脈内注入(平均65μg/hr)により, 平均血圧を約1.5倍とした。その結果, 非昇圧時には気道中心の腫瘍表面∿周囲温度が気管分岐部や上葉入口部粘膜面に比し高く, 腫瘍内の代謝亢進や血流増加が示唆された。昇圧時には, 気管分岐部と上葉入口部粘膜面で明らかな温度上昇を認め, 気管支動脈全体の血流増加がもたらされたと解された。更に腫瘍温度上昇も4例に認め, 肺癌巣血流増加も示唆された。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
1985-06-25

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