建築生産におけるコンフリクト問題のメタゲームを用いた定式化とその分析支援システムの開発

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利害や価値観などが互いに対立し, コンフリクト状態にある個人またはグループの意思決定を支援するアプローチに, メタゲーム分析がある。本研究は、メタゲーム分析の構成要素であるオプション、シナリオ、評価基準について検討し、コンフリクトモデルを構築する具体的な方法論を提示した。コンフリクトの均衡解はメタゲームによって得られる。安定性分析アルゴリズムを改善し、意思決定支援システムを開発した。本研究の特色と意義をまとめると、以下のとおりである。1)コンフリクトモデルの構築方法論の提示。既往の関連研究は、方法論やコンフリクト全体の構成要素やオプション・シナリオの定義などを中心として、検討を行うものであり、現状問題と分析手法との結合に関する研究はまだ空白であった。本研究ではオプション・シナリオ・評価基準などのメタゲーム分析の構成要素について、その生成原理、設定ルールおよび調整方法などを検討し、論理的にコンフリクトモデルを構築する方法論を示した。2)コンフリクト問題における定量的評価基準。これまでは発言力など個人的人間関係に影響された評価基準について、問題を階層構造に整理した上で、一対比較法の援用により定量化を行った。3)メタゲームにおける均衡解探索方法の改良。既往研究のメタゲーム解析手法を用い、実際の問題を解決する上で、そのアルゴリズムの冗長性、すなわち次善の解または現実性の低い解の探索に多くの計算資源を用いていることがわかった。本研究では、安定性分析について、探索範囲を最良解に限定して差し支えないことを確認し、計算資源を削減し、新しいアルゴリズムの開発を行なった。4)簡便かつ実用的なシステムの開発。建築プロジェクトでは、コンフリクト問題の解決および組織としての意思決定を迅速に行うことが求められる。本研究では現在のコンピュータの処理技術を前提として、単純な操作で分析の可能なシステムの開発を行った。
社団法人日本建築学会の論文
2002-04-30

建築生産におけるコンフリクト問題のメタゲームを用いた定式化とその分析支援システムの開発

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