正規表現とプロセス代数に基づく通信プロトコルのための仕様記述言語の提案
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概要
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本稿では, 通信プロトコルを簡単に記述するための仕様記述言語Preccsを提案し, Preccsで書かれた仕様からCのプログラムを自動的に生成する方法について説明する.Preccsは正規表現とプロセス代数のアイディアに基づいており, 通信プロトコルを分かりやすく記述することができるように工夫されている.通信プロトコルは主に(1)メッセージの形式と(2)メッセージ送受信の手順から構成されており, Preccsによるプロトコルの仕様記述はこれと素直に対応している.Preccsでは, (1)は正規表現を独自に拡張した記法によって記述する.これによって複雑な構造を持ったメッセージでも簡単に記述することができる.また(2)はCCSなどに代表されるプロセス代数にヒントを得てプロトコルの状態遷移や通信シーケンスを簡便に記述できるようにしたものである.Preccsを用いて通信プロトコルの仕様を厳密に記述し, そこからプログラムを自動生成することによって, 信頼性の高い通信プログラムを短期間で開発することが可能となる.また, Preccsで書かれた仕様は読みやすく, プログラムの機能拡張や保守などが容易になることが期待できる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2006-02-15
著者
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