新生児の赤血球カルニチンの栄養学的研究
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概要
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新生児,特に低出生体重児について血漿及び赤血球カルニチンを測定し,その生後変化を検討した.1)出生時赤血球カルニチンと在胎週の関係では負の相関関係が認められ,在胎週が短い程高い値を示した.日齢による変化では成熟児,低出生体重児とも生後2〜4日目まで一旦減少しその後徐々に増加するという,過去に報告された血漿カルニチンの変化と同様の変化を示したが,出生時を含め新生児期全体を通じて低出生体重児の方が高値であった.臍帯動静脈血の比較では,臍帯静脈血の方が臍帯動脈血よりも明らかに高値であった.2)経口栄養摂取の障害された新生児4例(低出生体重児3 例,成熟児1例)においては,血漿及び赤血球カルニチンとも著しい低下が認められた.特に成熟児の例は,脂肪乳剤を経静脈的に用いられ,血漿及び赤血球カルニチンの低下は一層著明であった.しかし,いずれのカルニチンの低下も,乳汁摂取が可能になると速やかに改善し正常値になった。以上より、赤血球カルニチンは血漿刈る値人と同様の動きを示し、低栄養状態では著明に減少し、カルニチンの欠乏を来る事が示唆された。
- 神戸大学の論文