嗜癖とジェンダー
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
嗜癖の社会学的研究においては、近代的自己の問題とするジェンダー・ニュートラルな捉え方が主要であるが、これは、臨床現場において発見されたジェンダー差を見逃している。第1章で、好発する嗜癖、回復像が男性と女性とでは大きく異なっていることを臨床からの報告をもとに述べる。このことは、嗜癖という現象が「男らしさ」「女らしさ」といった性役割規範を反映していることを示していると考える。そして第2章では、嗜癖の社会学的研究として、ベイトソンとギデンズの理論を取り上げ、嗜癖の近代性と自己像との関わりについて述べる。両者の違いは嗜癖を脱近代とみるか、近代性の徹底と見るかの違いである。嗜癖の実像を捉えることができるのは前者であると考える。臨床における発見と合致しているからだ。では、自己像が近代性を脱すると、いかなる姿が立ち現れるのか。このことを考えるために、第3章で自立とは現在どのように捉えられているのかをみてみると、そこにはジェンダー・バイアスの存在が認められる。以上をうけて第4章では、嗜癖を捉えるにはジェンダーの視点が必要であるとし、「自立」や「大人」とは何かを再考し、それに基づいて、嗜癖からの回復像について考察する。
- 2004-01-10
論文 | ランダム
- 画像処理シミュレータ
- CCITT SG XVにおけるビデオコンファレンスサービスの標準化動向
- CCITT SG XVにおけるビデオコンファレンスサービスの標準化動向
- 16-4 予測符号化方式検討の為の動画像信号モデル
- 高次脳機能障害と自立支援 (特集 自立支援)