3GHzを超える携帯端末に対する頭部ドシメトリ解析と安全性評価
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概要
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携帯情報端末の頭部に対する局所吸収量評価は国際間で整合しておらず,例えば,米国基準は1.6W/kg以下の1グラム局所ピークSARを6GHzをの周波数まで適用するのに対し,わが国と欧州では2W/kg以下の10グラム局所ピークSARをそれぞれ3GHzと10GHzまでの周波数に適用している.それ故に,3GHzを超える周波数帯の携帯端末に対しては,わが国の局所吸収基準はもはや適用できず,米国と欧州では電磁吸収が生体組織の表面層に集中する結果として両国の局所ピークSAR値の格差が広がり,安全性評価に混乱を引き起こす.こうした背景から筆者らは,3GHzを超える周波数帯の携帯端末に対して,国際基準の統一した局所吸収量の評価尺度として自由空間電力密度を提案した.解剖学的頭部数値モデルに対するマルチグリッドFDTD法を用いた解析結果から,3GHz〜6GHzの半波長ダイポールアンテナでは,アンテナからの距離がλ/2で自由空間電力密度が1mW/cm^2を満たすときは,頭部内の1グラム平均局所ピークSARは米国基準値を超えず,アンテナからの距離がλで自由空間電力密度が1mW/cm^2を満たせば,頭部内の10グラム平均局所ピークSARは欧州指針値並びにわが国基準値を超えないことがわかった.この自由空間電力密度と局所ピークSARとの定量関係を5GHz携帯端末の実機例で求めたところ,両者の並行性が確認でき,評価尺度としての自由空間電力密度の妥当性を示すことができた.
- 2002-04-12
論文 | ランダム
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