混迷する健康観(第39回日本理学療法学術大会 シンポジウム : 健康の視点)
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概要
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健康については世界保健機関(WHO)の有名な「定義」がある。「健康とはたんに疾病あるいは虚弱がないことではなく,完全な身体的,精神的および社会的福祉の状態にあることであり,達成可能な最高基準の健康を享受することは,万人の基本的権利である」(憲章前文)。今から思えばやや意外なことに,WHOが健康をこう定義したのは,第一次世界大戦直後の1946年のことだった。当時は食うやくわずで,病気や死から逃れることに精一杯だった世界の混乱状況を考えれば,この定義は遠い将来に達成されるかもしれない「理想」と受け取られるに止まったことであろう。これは健康の定義ではなく,当時のWHOのイデオロギーの表明だったと,シンポジウムで波平恵美子氏が指摘したのもうなずける。けれども,WHOの定義から60年が経過した。開発途上国の一部ではなおこれはイデオロギー的スローガンに止まっているとはいえ,世界の先進諸国ではこの定義がたんなる理想でなく,ようやく現実に「問題」となる時代が来ている。
- 2004-12-20
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