歯槽骨再生誘導法における吸収性コラーゲン膜の臨床応用への実験的研究
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概要
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本研究は,架橋アルギン酸ゲル移植材の歯周組織再生への応用の可能性について検討を行った。すなわち9頭のイヌ下顎前臼歯に実験的歯周炎を惹起させ,n度の根分岐部病変に対し歯周外科処置を行った。実験側には移植材を填塞し,対照側は無填塞とした。評価は,術後2,4,S週にそれぞれ対照側と実験側とについて経週的な創傷治癒について検討を加え,以下の結論を得た。1.対照側では,術後2週で根分岐部内への上皮の侵入が認められ,再生組織による填塞は不十分であった。一方,実験側では,根分岐部内は再生組織により完全に填塞され,上皮細胞の同部内への侵入は認められなかった。2.新生セメント質の再生は,研究期間を通じ実験側では,対照側の約2倍の形成がみられ統計学的有意差を認めた(p<0.01)。さらに術後2週に比較して4週で約2倍の新生セメント質の形成が確認され,統計学的有意差が認められた(p<0.01)。また,術後8週の新生セメント質の形成は,4週とほぼ同じであった。3.新生骨の再生は,対照側,実験側とも術後2週では認められなかった。術後4週,8週で新生骨の形成が認められ,対照側,実験側ともに群間内に経週的に増加傾向が認められ,両群間に統計学的有意差が認められた(p<0.01)。また,対照側と実験側との間に統計学的な有意差を認めた(p<0.01)。以上の結論より架橋アルギン酸ゲル移植材の歯周組織再生への有用性が示唆された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 2001-06-28
著者
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