液状飼料飼育マウスの咀嚼筋筋線維の分化と発達に関する研究
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概要
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液状飼料飼育が咀嚼筋筋線維の分化と発達に及ぼす影響を検討するため, 雄マウス130匹を授乳期の2週齢で母マウスごと固形飼料群と液状飼料群に分け, 3週齢で離乳して最長20週齢まで飼育した.咬筋, 側頭筋および顎二腹筋前腹の重量とATPase染色による筋線維のタイプ別に比率と径を比較した.1. 筋の重量 : 咬筋と側頭筋の重量は, 液状飼料群が5週齢以降有意に小さかった.顎二腹筋前腹では両群に差がなかった.2. 筋線維のタイプ別比率 : 未分化なタイプ2C線維は, どの咀嚼筋でも3週齢で消失していた.易疲労性のタイプ2B線維の比率は3週齢以降減少し, 代わって難疲労性のタイプ2A線維の比率が増加していた.ただし咬筋と側頭筋では, 液状飼料群でタイプ2A線維の比率が少なく, 3週齢あるいは5週齢以降有意に少なかった.一方, 顎二腹筋前腹では, 両群ともタイプ2A線維の比率が少なく, 群間にも差がなかった.タイプ1線維は咬筋深層前方部だけにあり, 比率も2週齢の3.9%から20週齢の5.0%までとほぼ一定で, 群間にも差がなかった.3. 筋線維の径 : 液状飼料群の咬筋浅層と側頭筋後方部ではタイプ2A線維が有意に細く, 咬筋深層後方部と側頭筋前方部ではタイプ2A線維と2B線維が有意に細かった.しかし顎二腹筋前腹では, どちらの線維にも群間に差がなかった.4. 以上から, 液状飼料で飼育したマウスでは, 閉口筋の重量だけでなく筋線維の分化および径の発達が遅れるが, 顎二腹筋前腹ではこのような影響のないことが明らかになった.
- 日本矯正歯科学会の論文
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