人工膝関節全置換術後における術側と非術側の膝関節可動域の関係
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概要
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人工膝関節全置換術(TKA)後の理学療法において,術後早期に膝関節の完全伸展を一旦獲得したにもかかわらず,術後経過していく中で再び屈曲拘縮を呈する症例を経験することがある。今回,このような現象の原因を検討する目的で,TKA後の術側と非術側の関節可動域を調査した。対象は,変形性膝関節症に対し片側のみTKAが実施された19例19関節とし,TKA後の術側と非術側の術前および術後1ヶ月,術後6ヶ月,術後1年における関節可動域について調査した。その結果,術後伸展角度が経過中に悪化した症例は19関節中7関節であり,屈曲角度に関しては,いずれの時期においても術側と非術側に統計学的有意な相関は認められなかったが,伸展角度については全ての時期において有意な相関を認め,特に術後1年の角度に強い相関(r = 0.87)を認めた。このことより,手術後は十分な伸展角度を獲得しても,反対側に屈曲拘縮が存在すると,再び屈曲拘縮を呈するようになる可能性があると考えられ,TKA術後理学療法を実施する上で非術側の屈曲拘縮の有無にも注意する必要があることが示唆された。
- 社団法人日本理学療法士協会の論文
- 2003-08-20
著者
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土井 暁子
姫路赤十字病院リハビリテーション科
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藤本 智久
姫路赤十字病院リハビリテーション科
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皮居 達彦
姫路赤十字病院リハビリテーション科
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西野 陽子
姫路赤十字病院リハビリテーション科
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皮居 達彦
姫路赤十字病院
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森本 洋史
姫路赤十字病院リハビリテーション科
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中島 正博
姫路赤十字病院リハビリテーション科
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藤本 智久
姫路赤十字病院新生児センター
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