ロックボルトの作用効果について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
在来の考え方からロックボルトの作用効果を分類すれば, (a)つり下げ効果, (b)はり形効果, (c)補強効果に大別できる。(a)と(b)の概念は直観的で明確であるが, (c)には広範な概念が含まれている。近年, 軟弱な膨張性地山トンネルに対する新オーストリアトンネル工法の適用とあいまって特に補強効果の解釈に関心が集まっているが, 概念が抽象的なため支保工理論への応用があいまいで, ロックボルト工の設計と施工に混乱が見受けられる。このような見地から, 本論文では, 補強効果を具体的概念として把握する必要があることを指摘するとともに, 独自の立場からブロック化効果を定義し, 補強効果に代わる作用効果として用いるよう提案している。ブロック化効果とは, ロックボルトの自己つり合い作用によってトンネルの掘削面を拘束するに必要な応力を地山に還元し, ロックボルトを中心としてそのまわりの地山が一体的に挙動する力学的現象に与えた呼称である。そして, この認識の妥当性を検証するため, 砂を用いた落し戸の実験を行い, 許容できる解釈であることを実証的に明らかにしている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1980-03-15
社団法人地盤工学会 | 論文
- 地盤改良(1)((1)地盤改良,4.地盤挙動,第44回地盤工学研究発表会)
- 泥炭地盤上の道路盛土の残留沈下とLCCに関するケーススタディ(地盤構造物のライフサイクルマネジメント)
- 泥炭地盤の圧密沈下とその予測(圧密沈下の予測と対策)
- 海外建設プロジェクトにおける地盤リスク対応について(海外事業と地盤工学的問題 : アジア地域におけるプロジェクト事例ならびに地盤工学的特性)
- リスク工学と地盤工学 : 4.プロジェクトリスク