粘土の長期強度と設計への応用
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概要
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粘土の材料力学的挙動を解明するための第1歩として, ある沖積粘土のクリープ破壊試験を行い以下の結論を得た。1)三軸非排水クリープ試験で発生する過剰間隙水圧は軸ひずみに依存する。2)Singh, Mitchellの定義するクリープポテンシャルパラメーターは約0.7であった。3)粘土は約4%の軸ひずみで二次クリープ領域に入り, その時の内部摩擦角は有効応力表示で26.5°であった。軸ひずみがこれより大きくなると, 長時間経過後必ず破壊を起こした。4)二次クリープ速度と破壊時間との積は一定値を示し, その値は5.05×10^<-2>であった。5)粘土の長期期待強度は通常の圧密非排水試験によって求められた値よりも30〜40%低い。この値は上限降伏値と一致し, 段階載荷試験からも簡易的に求めることができる。6)設計あるいは施工で粘土の変形・破壊問題を取り扱う際には, 長期期待強度のほかにも種々の性質を調べる必要があるが, 特に掘削に起因する応力解放によって生ずる強度低下は無視できない。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1979-09-15
著者
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