建設工事に関する排水処理の研究(第2報) : ベントナイト廃泥水の電気的処理法の検討

概要

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安定液工法で発生するベントナイト廃泥水の処理方法は, そのほとんどが無機・有機高分子凝集剤を用いた化学的処理と機械的固液分離処理の併用法である。そこで筆者等は電気泳動・電気浸透の原理を応用した新しい廃泥水処理法を開発するために一連の実験を行った。第1段階の実験として, 調整泥水を満たした鋼製陰極槽中に陽極棒をそう入して直流通電を行い, 陽極に泥分を泳動吸着させたところ, 泥分の回収率は1%にも満たない結果が得られた。そこで, 第2段階として, 多孔質の隔膜を用いて電気泳動・電気浸透併用実験を行った結果, 泥分回収率は約50%と改善され, 同時に約20%の浸透脱水量が得られた。これらの一連の実験により, 処理効果は, 陽極電流密度が大きく通電時間が長いほど, また泥水濃度が高いほど良好であり, 電極としては鉄, 隔膜としては合成樹脂隔膜のよいことが判明した。現場の採取泥水を使用した実験においては, 泥分回収率が約90%, 浸透脱水量が約35%, 吸着泥含水率が約50%と良好な処理効果がみられた。
1979-09-15