鉄筋格子組みを入れた貯水タンク基礎の力学的性状について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年, 貯水及び貯油タンクが比較的軟弱な地盤上に建設されることが多くなってきたために, 十分安全で経済的な基礎工法が必要となってきている。その一例として, 関西電力姫路第2火力発電所などで若干行われた鉄筋格子組み基礎について, 沈下状況, 土圧, 鉄筋の応力などの測定の結果を示し, 置換転圧基礎, バイブロフローテーション基礎と比較している。ここでは予備実験として, 直交鉄筋格子基礎の載荷試験を行い, 鉄筋格子のない場合との沈下量に関する比較をしている。またタンク基礎にはドーナツ状に切線方向と半径方向に鉄筋を入れ, 注水-放水を行い, タンク直下の沈下量, 土圧, 鉄筋応力, タンク傾斜の測定を行っている。その結果, 沈下量, 不同沈下共に他の工法に比べ同程度あるいはもっと良好な結果を示している。また土圧の測定により, 不同沈下に大きな影響を与えるタンク周辺部の土圧がかなり軽減されていたことが報告されている。このように鉄筋格子基礎はタンク基礎として有望ではあるが, 振動に対する挙動, 鉄筋の径と間隔の合理的な配分, 鉄筋応力の力学的解析などについては今後に残された問題として未解決である。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1979-06-15
社団法人地盤工学会 | 論文
- 地盤改良(1)((1)地盤改良,4.地盤挙動,第44回地盤工学研究発表会)
- 泥炭地盤上の道路盛土の残留沈下とLCCに関するケーススタディ(地盤構造物のライフサイクルマネジメント)
- 泥炭地盤の圧密沈下とその予測(圧密沈下の予測と対策)
- 海外建設プロジェクトにおける地盤リスク対応について(海外事業と地盤工学的問題 : アジア地域におけるプロジェクト事例ならびに地盤工学的特性)
- リスク工学と地盤工学 : 4.プロジェクトリスク