ウシの末梢血中の Progesterone の Biological Half Life について
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概要
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StcroidHormoncの分泌率を推定する一手段として,静脈内に注入した微量の外性ホルモンが血中から消失する率を測定する方法,すなわちBiologicalHalfLirC測定法が,近時唱えられ出した.筆者は, 4-14C-Progcsteroncの20~25μCi(125~171Pgに相当)をウシの静脈内に注入し,注射後47~80分の間に8~9回の静脈血(各115ml)を採取,約半量の血漿を分離してから,これをエーテルで抽出,アルミナ・カラムで部分的精製を行なったのち,Tri-Carb11quidscintillationspcctrometerにかけて,血中からの放射能量の消失率を測定し,放射性Progcstcroncのb1010gicalhalrlifc(172T.O.time)を算出した.その結果,ウシでは172T.O.timeはきわめて短いことがわかった.従ってProgcstcronc分泌は盛んであることが推定される.とくに黄体開花期と妊娠中のもの(初,中期)では,biologicalhalf11rcの値に有意差はみられなかった.注射されたProgcstcroncの血中からの消失は,二相性を示した.これは主として20β-OH-Progcstcroncをきわめて早く代謝物として作り出す結果と考える.その第1相における1/2T.O.timcは,黄体開花期のもの3例(No.18の第17日目は退行期にはいろうとする時期と考えられた)と妊娠の2例(第65と154日目)では,2.2~3.4分というきわめて短い値を示した.第2相に至って,これらは10.0~27.4分となった.黄体退行期の一例(No.18の第19日目)では,第1相で11.1分,第2相では22.4分を示した.ウシの静脈血中Progesteroncの量自体は低い.と見なされてはいるが,分泌率および代謝速度については,実験値は分泌が盛んで代謝率も速いことを示したものといえる.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1967-08-25
著者
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