豚丹毒菌の分類に関する研究 : IV.見掛け上健康な豚の扁桃腺に保有されるErysipelothrix rhusiopathiaeの疫学的意義について
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概要
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I,1t,III報では,各種の病畜(j]j(・鳥類・牛・人)に由来したE,r.の血清学的分類とそれらのFl:T来した動物の病型との関係,海産魚類の体表粘液から分離されたいわゆるE.r.の血清学的な検討及びそれらの.豚に対する病原学的な意義について,また,一倍1≦健康な.豚の扁桃腺からマウス接種で分離されE.r.と同定されたものについても検討され,それらのなかに,血清学的には,急性敗血症型から分離されるGroupA又は主として賭麻型からのGroupBと異るが,生物学的にはE.r.と同定せざるを得ない数群のものが,かなり高率に見出される事実についても触れた.本報告では青森県十和田市市営屠場において, 1年間に屠殺された1,045頭の健康な豚の扁桃腺を対象にE.r.の分離を試み,それら分離菌について,沈降反応のほかにのせガラス法凝集反応を併用して,先に」゜IR論したGroupA-D以外の群を探ね,また,その結果と野外の豚丹毒発生の実態とを比較しながら,これら一見健康な豚の扁桃腺などに保有されるE.?・.の疫学的意義を検討するとともに,本病の病件の本質について考察したところを述べた.それらを要約すると次のごとくである.I.一見健康な豚の扁桃腺からマウス接種によって分離され,生物学的性状からE.r.と同定されろく)ののなかには,GroupA,B,C,D以外にGroupE及びFが独立して存在することが知られた.2.これら6群(A-F)の菌の抗血清に対しての,被検E.r.菌株の濃厚菌液を抗原とするのせガラス法凝集反応による反応校様は,沈降反応(・こ代る簡易な方法として,E,r.の血清学的分類に充分慣用され得.る.しかも,これら6群の菌が描く夫々の反応模様からE.r.6群間の抗原的相互関係が,次報で述べる抗原分析の結果を待たずに予測された.3.十和田地方で生産され,食肉用として).1j号・殺された-見健.東な啄の扁桃腺から分離されなE.r.,特にGroupBの分離率従って分布度は,明らかに春.に低く秋に高い.4.見掛け上健康な豚の扁桃腺に保有されるE.r3は,群別に単-・である傾向が強く,臨床症状の有無にかかわらず,そこである程度増殖しつつ,何らかの族原学的・免疫学的影響を,その動物に与えつつある徴候がある.5.十和田地方における豚丹毒の発生は3.に述べた一見健康な豚の扁桃腺からのE.r.の分離率の季節的変動と反対に,明らかに春に多く不火から冬にかけては少いか殆ど見られない.6,扁桃腺からのE.r.特にGroupBの分F{{[l.率(ひいては分布度)の季節的変動と野外での豚丹毒の発生頻度との間にみられる注目すべき矛盾は,次のごとく説明された.・
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1960-02-25
著者
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