除草剤・抑草剤ビスピリバックナトリウム塩の開発(学会賞(技術賞)受賞特別講演)

概要

論文の詳細を見る
ビスピリバックナトリウム塩(bispyribac-sodium)は、クミアイ化学工業(株)、イハラケミカル工業(株)、及び(株)ケイ・アイ研究所が創製、開発したピリミジニルカルボキシ系化合物で、除草剤と抑草剤の異なる2つの用途を持つ茎葉散布型薬剤である。水稲用除草剤としては、水田雑草に対する極めて高い除草活性、幅広い殺草スペクトラムと処理適期幅を持ち、直播水稲に対する高い安全性を有することが特徴である。上市以降その優れた特性から東南アジア、中南米地域において強い支持を受け、短期間で直播水稲栽培における主要除草剤として認識されるに至った。一方、抑草剤としては、土壌保持力に優れる多年生雑草を枯殺せず、地上部の伸長生長を長期間に渡り抑制することが特徴である。これにより水田畦畔、道路、鉄道法面等において、裸地化による土壌流亡を起こすことなく雑草の刈取り軽減と景観保全を両立した効率的で新しい植生管理技術を提供するに至った。本剤は、1997年に日本で除草剤(ノミニー^[○!R])、抑草剤(グラスショート^[○!R]、ショートキープ^[○!R])としての農薬登録を取得し、海外においては水稲用除草剤としてNominee^[○!R]、Regiment^<TM>(米国)の商品名で、現在世界の34カ国で農薬登録され、2002年度の使用推定面積は約160万haに上っている。
2003-04-19

除草剤・抑草剤ビスピリバックナトリウム塩の開発(学会賞(技術賞)受賞特別講演)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク