土石流の総合的観測その4 : 1977年焼岳上々堀沢における観測

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概要

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1977年の焼岳上々堀沢における土石流観測の経過と成果を報告した。この年は強雨が少なく, 小規模な土石流が二度発生したにとどまったが, 源流域における各種の調査から, 表土の下に比較的透水性の低い地層があり, 更にその下層は透水性の高い地層であることが分かったが, この特徴は水文・流出特性によく反映していることが確かめられた。また, 上流域から中流域にかけての渓床の計測・調査により, 渓床の横断形と縦断形の変動についてその特徴を明らかにし, これを侵食・堆積および残雪の融解などの諸プロセスの複合形態として分析した。また, 渓床の勾配, 幅, 崖錐の量および巨大石礫の粒径分布の間の関係を明らかにし, 侵食と堆積過程の特徴を考察した。また, 流域の渓床や斜面の土砂の粒度特性と土石流の土砂のそれとを比較検討したところ, 土石流の規模によりその材料の起源に違いのあることが推察された。
社団法人地盤工学会の論文
1982-09-15

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