雨水浸透による地盤内発生間隙水圧と斜面安定

概要

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水平半無限砂質地盤における降雨水浸透速度式, 浸透に伴い発生する地盤内間隙水圧, 間隙空気圧を与える式を解析的に求め, これらの式を簡単な室内実験において検討したものである。また, これらの理論式が斜面にも適用できるものとして, 自重の増加, サクションの消失と合わせて無限斜面, 有限斜面の安定問題に導入した計算例を示している。研究の結果, 降雨水浸透に伴い地盤内には, 間隙水圧, 間隙空気圧が発生し, 地表と浸潤前線の間では地盤深さにほぼ比例した間隙水圧分布から得られるが, その大きさは静水圧を示さず, 地盤の透水係数と透気係数の比が大きくなるほど大きくなることが判明した。その後, 間隙水圧は浸潤前線が地下水面に達し, 地下水面の上昇に伴い徐々に静水圧に近づくようになる。また, 安定計算結果によると, 降雨の浸透に伴って安全率は徐々に低下し, 浸潤面が地下水面に達したときに安全率は大きく低下する。更に, 降雨があるときの地盤の状態があらかじめ浸潤を受けていた状態の場合, 斜面の安全率が著しく低下することがわかった。
社団法人地盤工学会の論文
1979-03-15