岩石における地圧成分のAcoustic Emissionによる推定の試み
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概要
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オーバーコアリングされた岩石コアを用い, Acoustic Enission (AE)のKaiser効果を利用して地圧の立体3成分の推定を試みたものである。Kaiser効果とは, 材料が過去に受けた最大応力までは, 材料組織が安定していてAEの発生が少なく, それ以上の応力を受けると微視的破壊が生じやすくなり, AEの発生が高まる現象のことである。まずぜい性材料であるモルタル材料を用い, 供試体の載荷面付近の〓E信号の消去法の工夫について予備実験を行い, 端面を除く供試体の中央部でのAE信号の〓をとり出すことに成功している。次いで, 現地採取の凝灰岩試料の中から立体3成分の方向の一軸供試体をそれぞれ作成し, AE法により求めた推定地圧を現地でのオーバーコアリング法による推定地圧と比較すると, AE法による値の方が大きい傾向になっている。その理由の1つは, AE法では地質年代的な長時間の応力履歴の最大値を検出しやすいのに対し, オーバーコアリング法では現存ひずみに対応した応力値を検出しやすい傾向によるものと思われ, 今後, 地質構造学的な面での応用が期待される。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1979-03-15
著者
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