二重鋼矢板壁の振動特性について
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概要
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まだ設計法が確立していない二重矢板工法の動的特性を明らかにする目的で行なった模型実験の報告である。まず, 相似律を検討し, 乾燥砂・アルミ板を模型地盤・模型矢板に用いた締切りタイプと護岸タイプの模型に定常的正弦加振を行なっている。そして, 矢板間隔と壁高の比, および矢板剛性が矢板壁の静的特性および加振時における動的特性に及ぼす影響を調べ, 次のような結果を得た。(1)現設計法によれば最大曲げモーメント, 土圧, およびタイロッド張力は実験値よりも安全側に計算されるが, 最大変位は矢板剛性によっては実験値を上回ることがある。(2)本工法では土・構造物系としての慣性質量作用の効果が大きいため, 共振時の加速度応答倍率は7〜8倍にも達する。(3)締切りタイプの地盤のバネ作用は線形を示し, 護岸タイプのそれは非線形である。このため, 締切りタイプでは中詰砂と矢板を連続体として考えることができるが, 護岸タイプは矢板・中詰砂・盤面土砂の連成系として取り扱う必要がある。(4)減衰機構に関しては, 締切りタイプでは中詰砂のそれに対し, 護岸タイプでは対応性がない。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1978-06-15