地スベリ地区の土層と植生
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概要
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防災的立場から, 地スベリ地区の地表変動と植生の成立過程との関連性について考察したものである。地スベリ地区の樹木年輪の異常性と造林木の樹冠不斉を時間指標とする生物学的手法から次のことを明らかにしている。樹幹が外力によって傾斜する以前に形成された組織は, 傾斜以後も正常材であるが, 新しく形成される組織は異常材になるという特殊な生命現象を考慮すると, 樹木の生成過程において生ずる異常年輪は, 地スベリ変動の年代記録として有効性をもち, このことはまた, 一時的な樹冠不斉の現象が生じていることからも確認でき, 一方, 火山灰地帯での地スベリ地区の観測から, 特定の火山灰層を鍵層とする時間指標を設定すると, その有無と形態によって土層の安定状態を推定可能であることも示している。また, 慢性的な地スベリ地区で, 著者の提案する三点法測定法によれば, 従来実施されている不動点からの角測による移動量測定に比べ, 地スベリの微妙な運動をとらえることができるとしている。以上の観測結果から土層の変化にブロック状の交互性のあることが確認できたとしている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1978-06-15
社団法人地盤工学会 | 論文
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