浸透地下水流にもとづく斜面の崩壊
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概要
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斜面内に浸透した地下水流によって土粒子間の垂直応力が減少し, セン断抵抗が弱められ, 斜面が崩壊する現象について考察したものである。斜面土層内にまだ地下水が浸透しない領域(I)と, 浸透した領域(II)のそれぞれの土の釣合条件および境界条件式をたて, 領域(II)の内部で浸透地下水流が発生し崩壊するとして, その時の必要条件を求めている。ついで, (I)および(II)の領域にまたがってスベリ線が生じるとしてモールの応力円を用いて, スベリ線の導出を試みている。その一例として, ある風化層の斜面を仮定しスベリ線の形状を求めた。ここでは斜面が無限に長い場合のスベリについて考えたが, 実際には有限長であるから本論の解はそのまま適用することは困難であるが, 一般に斜面の裾部の支持力が弱いときは, 主働土圧によるスベリ線と斜面に平行な平面とが連結したスベリ面を形成するのに対して, 裾部の支持力が強いときは, さらに受働土圧状態におけるスベリ線が連結されるであろうとしている。しかし, スベリの発生する地点がどこになるかは, 本論文の考察の外にならざるを得ないと述べている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1973-06-15
社団法人地盤工学会 | 論文
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