水田条件における各種環境要因がピラゾスルフロンエチルの除草効果に与える影響
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概要
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水田条件における各種環境要因がピラゾスルフロンエチル(PSE)除草効果に与える影響を,温室内のポット試験で検討した。1)ミズガヤツリ(Cyperus serotinus Rottb.)を用いてPSEの植物における吸収部位の推定を行った。PSEの拡散を活性炭層で防いだ条件で,湛水中あるいは地下部にPSEを処理した結果、湛水中処理では殆ど活性を示さなかったのに対して,土壌中に混和処理した場合に,顕著な除草活性を示した。従って,PSEの植物体における主な吸収部位は地下部にあると考えられた。2)湛水深,減水深,発生深度,温度の各条件について,これらの変動がPSEの除草効果に与える影響をミズガヤツリを用いて検討した。地下部からのPSE吸収を助長する条件,つまり適度な減水深を与えた場合,あるいは,発生深度の浅い場合に除草効果は向上した。温度条件では,むしろ低温下(20/15℃)で除草効果が高い傾向がみられた。3)15種の水田土壌を用いて,PSEの土壌吸着と,タイヌビエ(Echinochloa oryzicola Vasing.)に対する土壌処理効果の関係,及び,それらと土壌の性質との関係を検討した。低pHの土壌で,PSEの土壌吸着が大きいことが示されたが,除草効果との相関は見られなかった。PSEの除草効果は炭素含量の少ない土壌でより高い傾向が見られた。
- 日本雑草学会の論文
- 1994-05-13
著者
-
鈴木 宏一
日産化学生物科学研究所 農業化学品事業部
-
鈴木 宏一
日産化学工業株式会社生物科学研究所
-
渡辺 重臣
日産化学工業株式会社
-
繩巻 勤
日産化学工業 (株) 生物科学研究所
-
縄巻 勤
日産化学生科研
-
渡辺 重臣
日産化学工業株式会社生物科学研究所
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