鳥類の染色体による雌雄判定
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概要
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安佐動物公園で飼育されていて, 外貌では雌雄の区別がむずかしい鳥類7種21羽について, 血液を材料として, 染色体による性別判定を実施し, 以下の結果を得た. 1. 染色体数は, 微小染色体の数が少ないオジロワシで66個と算定された. その他の鳥類では,分析困難な小型・微小染色体が多く, 正確な数は把握できなかった. 2. 核型分析の結果は, オジロワシを除いた6種で, A, B, C 群に分類できた. 性染色体 Zは, オジロワシを除いて, A 群か, または B 群に属し, 形態的にはすべて比較的大型で, t, sm 染色体であった. 性染色体 W は C 群に属し, 形態的には小型で, チリーフラミンゴ, ハゴロモヅルでは sm 染色体, ワシミミズクでは t 染色体と判定された. その他の種では, 類似の染色体が多く, 識別には慎重を要した. 3. 雌雄判定は, Z 染色体が比較的大型で, W 染色体が小型であるという特徴を利用すれば, 顕微鏡下でも可能であった. すなわち, A, B 群に属する大型と中型の染色体数を算定し, 奇数のものを雌, 偶数のものを雄と判定した. 4. 基礎実験を行なった2種の鳥では, 染色体検査と剖検の結果はすべて一致した. 5. 検査した鳥では, 採血時のショック, その他の障害による影響は認められなかった.
- 1976-06-25
著者
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