神戸市の河水,魚類,エビから分離されたnon-01コレラ菌のCT様エンテロトキシン産生
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概要
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1980年11月から1981年10月の間に,神戸市内の1河川にもうけた4定点からnon-01 V.choleraeの検出を毎月1回試みた. 52件の河川水のうち,17件(33%)からnon-01 V.choleraeを分離したが,上流地点から最も高頻度に分離され,また水温と検出頻度の間に関係がみられた. また,1980年7月から1982年6月の間に,近海で捕獲された魚類,国内産エビ類,カキ,魚貝類販売店舗のフキトリおよび輸入エビ類におけるnon-01 V.choleraeの汚染状況をしらべたところ,魚類486件,国内産エビ190件および輸入エビ8件のうち,それぞれ50(10.3%), 32(16.8%)および8件(100%)からnon-01 V.choleraeが分離された. カキ59件および環境フキトリ13件からは全く検出できなかった. Non-01 V.choleraeの検出率は1980年の7月から9月の夏期に特に高かったが,1981年の同じ期間では低かった. 魚類およびエビ類におけるnon-01 V.cholerae汚染菌量(MPN値)は59%が10^2/100g以下であったが,7件(17.9%)は10^4/100gを越えていた. 汚染菌量は魚類よりエビ類で高かったが,とくに輸入エビ類で顕著であった. これらの分離菌株のうちコレラ毒素に似たエン***トキシン産生の頻度は魚類:11.8%,国内産エビ類:17.2%および河川水:11.8%であった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1988-04-15
著者
-
村瀬 稔
神戸市環境保健研究所
-
仲西 寿男
神戸市環境保健研究所
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仲西 寿男
日本食品危害研究所
-
仲西 寿男
淀川キリスト教病院
-
坂崎 利一
国立予防衛生研究所
-
村瀬 稔
神戸市環境保健研究所細菌部
-
仲西 寿男
日本食品危害研
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