正常カニクイザルにおける心室壁の厚さおよび血圧の測定値
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概要
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血圧と心臓の形態との関連性を明らかにするため, 正常の雄カニクイザル15頭を用いて心室壁の厚さと体重, 心重量および動脈血圧(末梢)相互の関係を調べた. その結果, 以下の成績が得られた. (1) 無麻酔時における血圧の平均値は拡張期が68±8 mmHg, 収縮期が124±12mmHgであり, 脈拍数の平均値は1分間に227±17回であった. また, 麻酔時における血圧の平均値は拡張期が55±11mmHg, 収縮期が102±18mmHgであり, 脈拍数の平均値は1分間に197±17回であった. (2) 左室壁の厚さの平均値は前壁で6.6±1.1mm, 後壁で5.3±1.0mm, 側壁で5.9±0.9mm, 中隔壁で5.4±1.2mmであり, 右室壁の厚さの平均値は前壁で2.4±0.5mmであった. (3) 体重および心重量の平均値は, それぞれ4.1±0.7kgおよび16.5±3.1gであった. (4) 心重量および心室中隔壁の厚さは, それぞれ体重との間に有意な正の相関がみられた. (5) 血圧と各心室壁の厚さとの間には, 有意な相関関係はみられなかった. 以上のことから, 今後, 血圧と, 心臓の形態との関連性を評価するためには, さらに多くの正常例の他に, 高血圧や心肥大を有するカニクイザルにおいても検討することが必要と考えられた.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1995-12-15
著者
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