^<65>Znの代謝に及ぼす飼料中亜鉛含量の影響
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概要
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^<65>Znは原子炉内において生成する放射性核種であり, また1950年代に行われた大気圏核実験は, ^<65>Znによる農畜産物や魚介類の汚染を引き起こした. 本研究では, ^<65>Znによる内部被曝に対する防護方法を検討するため, 亜鉛濃度を45〜4,500mg/kgに調節した飼料をマウスに給与し, ^<65>Znの代謝に対する飼料中亜鉛濃度の影響を調べた. ^<65>Znの消化管吸収率は飼料中亜鉛濃度が高くなるににしたがって顕著に低下し, 対照群で14%であった吸収率が1,350mg/kg群では1.0%になった. ^<65>Znは肝臓, 腎臓, 膵臓などに比較的高濃度に取り込まれたが, 筋肉内の濃度は低かった. 組織中^<65>Znのクリアランスは高亜鉛飼料を給与することによって一般に促進されたが, 大腿骨に取り込まれた^<65>Znに対しては影響しなかった. ^<65>Znの排泄は飼料中亜鉛濃度が高くなるにしたがって促進され, 1,350mg/kg飼料を14日間給与することによって^<65>Znの体内量は対照群の1/2になった. 一方, 組織中の亜鉛濃度は飼料中亜鉛濃度が45〜1,350mg/kgの範囲では一定に保たれていた. 4,500mg/kg飼料を給与すると, 肝臓, 腎臓, 膵臓および大腿骨に亜鉛の蓄積が認められたが, 大腿骨を除き, これらの組織中に蓄積した亜鉛は, 飼料を正常亜鉛濃度のものに切り替えることによって速やかに回復した. これらの結果は, 食事に対する亜鉛の添加あるいは亜鉛剤の経口摂取が, ^<65>Znの吸収抑制および排泄促進に有効であることを示している.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1997-11-25
著者
-
小林 晴男
岩手大学農学部獣医獣医薬理学教室
-
佐藤 至
岩手大学農学部獣医公衆衛生学教室
-
鈴木 忠彦
岩手大学農学部獣医薬理学教室
-
津田 修治
岩手大学農学部獣医公衆衛生学教室
-
佐藤 至
岩手大学農学部
-
松坂 尚典
岩手大学農学部
-
鈴木 忠彦
岩手大学農学部獣医獣医薬理学教室
-
松坂 尚典
岩手大
-
津田 修治
岩手大
-
津田 修治
岩手大学農学部
-
松坂 尚典
岩手大学農学部獣医学科
-
小林 晴男
岩手大学農学部家畜薬理学教室
-
小林 晴男
岩手大学農学部
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