小河内ダム取水設備築造工事 : 主として大口径ヴァーチカルボーリングマシンによる岩盤掘削工事について
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概要
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小河内ダム(東京都奥多摩)に, 昭和50〜54年にかけて新規に築造した取水施設工事(取水能力30m^3/s)の報告である。当工事には, 我が国にあまり例をみない大口径Vertical Boring Machine(以下VBMという)による岩盤掘削施工を採用している。本文では, まず取水設備全体(取水口, 取水庭, 余水吐き, 導水トンネル, 放水口)の施工報告をしている。付近の地質は, 中世代ジュラ紀の硬質砂岩と粘板岩から構成され, 基礎岩は硬質であるが, クラックがあり脆弱化している。VBM(5台)による施工は, 取水口周辺の縁切り掘削, 取水庭の鋼管杭建込み, 取水庭水路の水中掘削が行われた。本報ではロータリー式VBMの構成, 掘削速度の算定法, 削孔精度と穴曲がりの発生要因, 穴曲がりの防止と修正方法について詳述している。なお, 当工事地点は国立公園の特別地区に位置しているため, 自然景観, 環境保持の諸対策がとられているが, 貯水池の水位変動をさせないという立場からも, VBMの採用が有利と判断されている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1981-12-15
社団法人地盤工学会 | 論文
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