土の物理化学的現象の設計施工への応用と問題点
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概要
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土質工学上の問題についての設計, 施工に関係する土の物理化学的現象としては大きく分けると物理化学的現象を利用するものと自然に発生する物理化学的現象を阻止する立場のものがあることを示し, 前者には陽イオン交換, 浸透圧, 電気浸透, 高分子吸着, シキソトロピーなどの現象の利用, 後者には膨潤現象と自然電位に基づくトラブルの発生防止などを挙げている。またこれらの現象それぞれについて概説して, その利用上の問題点などを述べている。結論として土の物理化学的現象は比較的マイルドなものであるので, 土の工学的性質の変化は大きなものでないこと, また現象の進行速度が一般に遅く, その改良範囲の測定や効果確認にも問題があり, 現在実用上最も成果を上げているのは掘削用泥水の分散と現場発生泥水の凝集沈殿における陽イオン交換と高分子吸着の利用に限定されているとしている。しかし改良度が小幅でよく, かつ他の工法が使用し難く経済的に有利な現場があれば, 土の物理化学的現象の実用的利用の可能性は高いことを付記している。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1981-03-15
社団法人地盤工学会 | 論文
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