大阪平野の地盤沈下
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概要
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大阪平野の地盤沈下は, すでに明治18年当時の陸地測量部が行った水準測量によりその徴候がみられていたが, 地盤沈下の原因として地塊変動説が唱えられていた。昭和11年, 災害科学研究所の和達清夫博士によって地盤沈下は地下水の過剰揚水が原因であることが確かめられたが, これを契機に大阪市は地盤沈下観測施設の増設, 深層ボーリングによる地質構造の把握等の調査を行う一方, 法的には厳しい地下水の採取の規制を打ち出すなど抜本的対策に乗り出した。これらの一連の対策が効をなし, 昭和37年ごろには年間20cm以上の地盤沈下が発生していたのが, その後急激に鈍化の道をたどり, ここ数年をみる限り一応終息したと言える。昭和10年から50年までの累積沈下量は, 臨海部を中心に推定280cmを超えた所もあり, その社会的損失は計り知れないものである。本稿は, 大阪平野のうち主として大阪市の地盤沈下について観測データーをもとに地下水と地盤沈下, 最近の隆起現象と地下水の自然涵養との関連性などについて解析したものである。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1978-12-15
社団法人地盤工学会 | 論文
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