大阪層群における破砕帯スベリ例
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概要
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大阪層群によって構成されている大阪地盤は第四紀の地殻変動, いわゆる六甲変動により形成された地形で, 平野部は沈降部であり, 平野周辺の丘陵部は隆起地帯である。丘陵部では衝上断層が多く, 岩盤と同種の節理系とせん断域とがみられ, それらの例を示している。そのうちの一つは粘土層中に層面すべりを起こしている例である。平野部においてもボーリング結果や掘削現場の観察により, 丘陵部と同種の断層が確認されている。このように構造運動を受けた地盤は強度特性・変形特性, 時には土性まで著しい影響を受けているので, 大阪層群での断層や微構造線が建設工学に多くの影響を与えることを述べている。また粘土の強度特性を調べるため, 丘陵部の破砕帯で試料を採取し, 一面せん断試験を行った結果, 高含水比ほど低強度で, 完全に膨潤すれば正規圧密粘土と同じ強さとなることを示している。また実際に活動した破砕帯について, 破砕帯に沿った平面すべりで安定解析を行い, 最低せん断強さが1.0t/m^2と軟弱粘土程度の強さしかなかったことを示している。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1978-09-15
社団法人地盤工学会 | 論文
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