第三紀層地スベリの発生機構について
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概要
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長崎県北松地区, 口之津地区および山口県油谷地区などにおいては, 多くの地すべりが発生している。これらの地区の地すべり面は第三紀層の内部または第三紀層上の堆積層(その多くは第四紀のもの)の内部にすべり面がある。(本文ではこれらの地すべりを"第三紀層地すべり"とよんでいる。)現在これらの地すべりに対して地下水排除工法, 杭打設工法を含む各種の防止対策工事が行なわれているが, 地すべりの発生機構などについては不明の点が多く, 十分な対策を講ずることができないのが現状である。このため筆者は上記の地すべり地区を対象に第三紀層地すべりの発生機構を解明し, この結果を地すべり防止対策へ応用することを目的としている。上記の地区は, さまざまな規模の地すべりが群発しているが, このような地区は地すべりを誘発する素因が存在し, この素因に対して種々な誘因が作用して地すべりが発生するとの見地を述べている。本報文は, 地すべりの素因と誘因の解明, およびこれらの相互関係についての報告である。地すべりの発生機構は, まず地層堆積過程に形成された軟弱層(粘土層)の中にwater film面という弱面ができる。これが潜在すべり面として地すべりの素因となり, これに誘因が作用することで潜在すべり面付近がクリープを含む原因によって破壊し, 連続したすべり面(破壊き裂面)に転化すると述べている。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1978-09-15
社団法人地盤工学会 | 論文
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