大規模な逆打ち工法における建物と地盤の挙動 : 大阪データ通信局舎(堂島)における実測例

概要

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ベノトグイを仮基礎とした逆打ち工法が採用された大阪データ通信局舎(堂島)の工事期間中における層別鉛直地盤変位, 地盤内間ゲキ水圧, 柱荷重および1階床(z_1)レベルの鉛直変位などの測定結果について報告した。同建物は高層部と低層部によって構成されており, 一部を除き天満砂レキ層中のz_1-26.75mの直接基礎で支持されている。層別地盤変位の測定結果によれば, 最深部のz_1-68mまで掘削の影響が表われており, 最終掘削地盤面における最大浮上り量は7.8cmであった。また, z_1床レベルにおいては中央が凹状となる浮上り変形を示し, 最大値で5.4cmが得られた。天満層, 大阪層群中の粘性土層中に配置された間ゲキ水圧計の測定値は掘削期間中の排水により減少し, 掘削終了時にほぼ平衡状態となった。掘削による排土重量, 水位低下および上部構築による地中有効圧の変動を考慮し, 圧密試験による除荷, 再圧密曲線によって鉛直地盤変位を推定したところ, 実測値とよい一致がみられた。また, 建物完成時には高層部で約1.5cmの浮上り量が残留するものと推定された。
社団法人地盤工学会の論文
1978-03-15