高炉水さいによる地盤安定処理に関する基礎的実験

概要

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本報は高炉水さいを主材として地盤安定処理剤の各種地盤に対する適応性を調査するために行なった室内実験結果に関するものである。対象土としてマサ土, 関東ローム, 砂, 海成粘土およびヘドロを選び, セメントの粉末度程度に粉砕した高炉水さいにアルカリ刺激剤として消石灰あるいはセメントを重量比で8 : 2に混合した安定処理剤を5〜20%添加して供試体を作成し, 物理性状, 強度特性, 変形特性, および凍結・融解に対する抵抗性を調べた。実験の結果, マサ土や関東ロームを高炉水さいによって安定処理した場合には, 長期における強度の発現は大きく, 凍結・融解に対する抵抗性も優れていて, セメント安定処理土の強度との間に顕著な差は認められないが, 砂の場合にはセメント安定処理土の方が高炉水さい処理土より強度の発現が大きい傾向にある。海成粘土を高炉水さいで処理した場合の強度は関東ロームや砂の場合よりも大きく, 特に関東ロームとの差が大きい。ヘドロを高炉水さいで処理した場合には, セメント処理土に比較して強度がきわめて小さいという結果が得られた。
1978-03-15