掘削断面を考慮した粘性土地盤の土留め土圧に対する考察
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概要
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土留め壁を用いて行なう根切り工事における掘削断面の規模は, 下水道立坑のような小規模なものから広大なビルの地下工事のような大規模なものまで種々雑多である。アーチ作用の効果を考慮すると, 掘削断面の規模によって土留め壁に作用する土圧の異なることが予測されるが, これまで掘削断面の規模を考慮した土留め壁の設計はほとんど例がない。筆者らはこの点に着目し, 土留め壁の経済設計へのアプローチとして粘性土地盤の土留め壁に作用する土圧に関し掘削断面を考慮した考察を試み, その妥当性について検討した。検討の基本となる主働土圧算定式として, 円形立坑掘削時の周辺地盤の塑性域における平衡方程式に, これまでの掘削工事における実測データから求めた粘着力係数(掘削断面の大きさと掘削深さに関係する係数)を導入した算定式を提案した。粘性土地盤中で実施された施工例(掘削断面4.8×5.6m, 掘削深さ21m)を対象として, 提案式によって求めた主働土圧を適用して行なった計算結果を掘削中の土留め壁の挙動の実測値と対比させた結果かなりよい対応がみられた。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1978-03-15
社団法人地盤工学会 | 論文
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