断層破砕帯の湧水と水抜きについて : 新幹線六甲トンネル芦屋斜坑の例
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概要
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山陽新幹線六甲トンネルの芦屋工区において作業坑として斜坑が掘削されたが, その工事において厚さ約12mの断層破砕帯に遭遇し突発的な大出水により切羽付近が埋没した。この断層破砕帯の地質は真砂土状でシルトまたは粘土を狭在し間ゲキ水圧は20kg/cm^2以上持っていることが判明した。この破砕帯を突破するために薬液注入を行ない, この注入影響圏の最外縁を多段テレスコピックボーリングによりせん孔し, 破砕帯の坑奥側のき裂の多い岩盤部に開口を有する排水孔を設置した。この工事によりトンネル工事を対象とした断層破砕帯の工学的特性として種々の点が明らかとなった。すなわち地下水が破砕帯によって坑奥側にダムアップされているために大湧水が生ずる。また破砕帯の透水係数は10^<-4>〜10^<-5>cm/sec程度であり, 坑口側の水抜き孔のみでは坑奥側の地下水を排水することが不可能で断層破砕帯の坑奥側に開口部を作って水圧を減圧させることが必要となる。また高圧被圧地下水のある断層破砕帯では薬液注入の効果と排水・減圧工法を併用するのが良いことが判明した。なお本工事における湧水量は1500l/minであった。
- 1978-03-15
著者
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