岩石のゼイ性破壊特性と鉱柱の山はねの機構に関する一考察
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概要
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山はねをはじめ岩盤の種々の破壊現象の機構を解明する目的で, 岩石の剛性圧縮試験を実施している。その結果, 岩石の圧縮強度やヤング率は広い範囲に分布しているが, 測定した17種類の岩石のうち, 大理石を除けば約1%のヒズミで荷重-変位曲線のピークをむかえ, 約2%のヒズミを示すとき変形抵抗力を失うことが判明した。さらに岩石のぜい性破壊特性を表わす指標として, 圧縮強度S_C, ヤング率E, 最大変形抵抗低下率λ_max, および試料を完全に破壊させるのに要する単位体積当りのエネルギーW_Fをもってすることができ, S_Cの高い岩石は, そのE, λ_maxおよびW_Fの値も大きい傾向がある。それらの相対関係は岩石によってまちまちである。これらの力学的性質を踏まえたうえで, 坑内構造のモデルを設定し, その変形挙動を解析した結果, 山はねをおこすか否かは, 剛性試験から求めた鉱柱の変形特性, 岩盤の構造物としての剛性度および単位載荷による上下盤接近量の条件から, 図解法により判定できるとした。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1977-12-15
著者
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