砂の異方性に関する基礎的研究(その1)
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概要
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普通の砂粒子は球状粒子というよりも, むしろ偏平だ円体に近い。このような形状の砂粒子は集合体として積み重なるときに, 定方向配列する傾向がある。この定方向配例は砂の強度, 変形係数の異方性に密接な関係をもつ。本報告では, 円筒容器につめて作った砂供試体における力学的異方性と, 供試体内部の構造的異方性との関係を明らかにした。報告の前半では砂供試体の内部構造の異方性について, 後半では三軸圧縮試験結果と供試体内部構造との関係について述べている。得られた結論は, (1)砂の構造の異方性は粒子の定方向配列によるものと, Kallsteniusなどが示した球粒子の異方的な積み重なりによるものとがある。(2)砂粒子の定方向配列の程度は粒子形状, 砂の詰め方などによって異なる。(3)粒子配列方向に圧縮する場合と粒子配列直角方向に圧縮する場合の強度比は砂粒子の細長比と相関関係があり, 強度の異方性は粒子の定方向配列による構造の異方性と密接な関係がある。(4)同様の変形係数比は粒子の偏平性とはほぼ無相関である。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1977-12-15
著者
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