新旧土木構造物の基礎 : 昭和大橋
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概要
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昭和39年6月の新潟地震により落橋した昭和大橋はその後の多くの調査研究の結果をもとに復旧された。基礎地盤は下層から上層へ, 細砂層, 中砂層, 粗砂層の三層から構成され, 細砂層は16〜18m以深に分布する均質な層でN値は30以上ありこれが支持層とされた。旧橋の基礎工は, 橋台, 橋脚ともφ609.6mmの鋼管グイを9本1列に打ち込んだもので, 昭和31年5月の道路橋設計示方書によると, 支持グイとしての安全率は3,クイ頭水平変位は24cmと計算された。被災後引き揚げたクイの状態や地震前後のN値の変化より, 上部砂層に流化現象が生じたと推定され, 昭和47年4月発行の道路橋耐震設計指針に従い上部砂層10mを無視して計算したクイ頭水平変位は209.4cmとなった。これらの調査研究により, 1)地盤上置砂層の流動化, 2)下部工自体の剛性不足, 3)左岸橋台付近を中心に地スベリが発生しケタに水平力が作用, などが落橋の原因として推定された。新橋はこれらを参考に, 斜グイや地中バリを設けて基礎工の剛性を高め, 落橋防止を施し橋座幅を広くとる, などの処置を行なった。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1977-06-15
社団法人地盤工学会 | 論文
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