ブラインド式シールド工法における地盤沈下対策の一例
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概要
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軟弱地盤地帯におけるブラインド式シールド工法によるトンネル築造工事に際し, 軌道越し部分において, 沈下現象を最小限に押えるため, 注入袋付セグメントを使用した工事結果の報告である。地盤測量の結果, 一般部分で30〜40mmあった沈下が, 薬液注入および袋付セグメントを用いた部分では15mm程度と半分以下であり, 沈下はシールドの下部よりだいたい45°の範囲で生じていた。また, 実際の沈下土量, テールボイドの量および裏込め注入量より逆算した土の圧縮と取過ぎ量は約8%であり, 一般部分において裏込め注入量を増加させても, 沈下に対する効果はなく, シールドの推進がかなり大きく周辺地山を動かしていることが推定された。この工事に用いたシールドの開口比は0.14%で, 開口比が大きいほど沈下は大きかった。開口位置が上部の場合は, シールド掘進に伴うだ行が生じるため, 下部開口部を使用している。またシールド通過前の先行隆起(沈下)と最終沈下の関係は, 先行隆起(沈下)が大きいところほど最終沈下量は大きかった。この傾向は推力や開口比には関係なく認められた。
- 社団法人地盤工学会の論文
- 1977-03-15
社団法人地盤工学会 | 論文
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