第三紀層における長大切取り斜面の崩壊の実態について
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概要
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静岡市郊外の第三系丘陵地と河川によってはさまれた典型的なオボレ谷地形を呈する場所において面積24万m^2の用地造成工事が行なわれ, この造成に要する盛土約100万m^3を隣接する第三系丘陵地から切土することによってまかなうため, 5つの長大な切取り斜面が計画された。この地域は糸魚川・静岡構造線に沿った第三紀中新世静岡層群が静岡市周辺に広がるチュウ積地に没する末端付近に位置しており, この地層の主な岩石はケツ岩, 凝灰質砂岩, 膨潤性の泥岩などであり, 表層の風化はかなり進んでいる。工事中に上記5か所の切取り斜面のうち, 2か所において2度, 3度にわたって斜面崩壊が発生した。本報においては, この斜面崩壊の概要を報告するとともに, 原因究明のための調査ならびに対策上の検討事例をとり上げて, 第三紀層の特徴, その他スベリ現象に関する諸問題について考察を行なった。
- 1976-12-15
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