地盤-構造物連成系の動的挙動に対する数値解法(その2) : 二次元地盤の数値モデル
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概要
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原子力発電および大電力送変電のための重要な電力施設の, 耐震性の向上と軟質地盤上への立地拡大とが緊要な課題となっている。このような構造物の耐震設計法を合理的なものに改良するため, 構造物の震動エネルギーが地中へ逸散する機構を明らかにし, 定量的にこれをは握することが必要である。半無限体理論解析に立脚し, 構造物から発生する波動を最大限に吸収する有限な仮想境界を地盤中に設けることによって構造物-地盤連成系の動的特性を表現しうる数値モデルの作成方法を示した。本モデルを用いて地盤の加振応答解析を行なった結果を半無限体理論解と比較し, 精度を検証した。等方均質で半無限のヒズミ体とした弾性地盤中に有限な仮想境界を考え, 境界側面を通過する表面波のエネルギーと境界底面を通過する実体波のエネルギーの和が全逸散エネルギーの9割以上となる仮想境界を地盤中に設定することが可能である。境界を通過する表面波の全エネルギーを吸収するダンパーを設置し, 境界底面に入射する実体波のエネルギーに対し反射エネルギーを最小とするダンパーを底面に設置する。この数値モデルにより計算された地表面の剛板の応答は上下, 水平加振の2例で半無限弾性体のそれときわめてよく一致した。
- 1976-09-15